吉田のうどんとは、ほうとうと並んで有名な山梨県富士吉田市周辺で人々に愛されている郷土料理のうどんのことです。
太くて硬くてコシが非常に強い麺や馬肉、キャベツを使用したトッピング、味噌と醤油をあわせた汁が特徴となっている珍しいうどんです。
各地のふるさとの味の中から選定した「農山漁村の郷土料理百選」にも選ばれています。
吉田のうどんは元々は家庭料理だったので、店ごとに様々な特徴があり、例えば店によっては牛肉や豚肉を使用していたり、面の硬さも長さもバラバラです。
大まかなルールはあれど明確なルールがないという自由さも吉田のうどんの特徴なのかも知れません。


吉田のうどんの特徴①【麺】
通常うどんといえばツルッと柔らかく消化に良い食べ物のイメージが強いですが、吉田のうどんの最も大きな特徴として非常に硬くて太くてコシが強い点があげられます。
形状も特徴的で、通常のうどんといえば断面は丸いですが、吉田のうどんは手打ちの乱切りのため麺が太くてねじれていて断面は正方形に近いものが一般的です。
太さや硬さに加えて、さらに店によってはものすごい長さの麺が出てくることも。
1本1本の存在感が強く、いざ食べてみるとお椀の中には麺が数本しか入ってなかったなんてこともよくあります。
【麺が硬くて長いことで有名なうどん店】

吉田のうどんの特徴②【汁】
汁は煮干出汁、椎茸の出汁、醤油、味噌など、家や店によってかなり違いがあります。
醤油&味噌ブレンドが主流ですが味噌ベース、醤油ベースだけのお店もあり、それぞれのお店がこだわりの素材を使用した汁を作ります。
他県のうどんと比較すると味はしょっぱめです。


吉田のうどんの特徴③【付け合せ】
茹でキャベツ、人参、油揚げ、馬肉の他に店によりきんぴらごぼう、かき揚げ、ちくわの天ぷら、天かす、生卵、山菜などもを入れることがあります。
店によってはキムチなどの変わり種も。
キャベツの付け合わせは日本全国でもここだけで、理由は年間通して価格が一定であることと、消化を助ける効果があるからだと言われています。
また、馬肉を入れるうどんは他に類を見ませんが、馬肉はさくら肉とも呼ばれ山梨県では馬刺しが良く食べられているため、あまり抵抗がありません。
馬肉はうどんに入れる場合は火を通して煮てあり、甘辛く味付けされています。
中には牛肉や豚肉を出すお店もありますが、
地元の人の中には「馬肉じゃないと物足りない」という方もいるほど、肉うどんは人気のメニューです。
【巨大天ぷらが有名なうどん店】


吉田のうどんの特徴④【薬味すりだね】
すりだねとは、赤唐辛子とゴマとごま油に山椒を入れた調味料で吉田のうどんには欠かせない定番の薬味です。
全国的にはうどんには一味や七味をかけて食べますが、富士吉田ではすりだねを入れて食べます。
すりだねは辛や辛いのなどとも呼ばれていて、天かすや醤油と同じ様にカウンターやテーブルに置かれています。
よくある一般的なすりだねはしっとりしているものが多いですが、こちらもやはりお店によって作り方が様々なので、油で炒めたり、醤油や砂糖、おかかを入れたりと独自の味を確立しています。


吉田のうどんの特徴⑤【民家】
吉田のうどん屋さんは昔から営業しているお店も多くあります。
元々は地元の人向けの食べ物で、家庭で作って提供していたそうです。
近年は観光客も増えて店らしい店が増えましたが、いまだに自宅の一角をそのままうどん店として営業していたり、客室が居間だったり、客間だったりするうどん屋さんも多くあります。
まるでおばあちゃんちでうどんを食べているような不思議な感覚になりますが、これもまた吉田のうどんらしさなのでしょう。
【超民家のうどん店】


吉田のうどんの特徴⑥【安さ】
通常ランチは500円から1000円ほどかかってしまいますが、吉田のうどんはほとんどのお店が500円前後と大変安い値段設定になっています。
小麦粉の価格高騰や増税などの影響で全体的にひと昔前より50円~100円値上がってしまいましたが、それでも安いお店だとかけうどんが350円程度ですので、ワンコインでおつりが来てしまいます。
その昔ながらの値段設定もきっと吉田のうどんの人気の1つなのでしょう。

吉田のうどんの【歴史】
富士吉田市は富士山麓の標高約650mから850mにある高原都市です。
年間平均気温11℃、さらに富士山噴火による溶岩流や火山灰という土壌のため稲作には不適な地域だったそうです。そのため大麦・小麦・粟(あわ)・稗(ひえ)・とうもろこしなどの栽培をおこない、現在のうどん文化の基盤となりました。
江戸時代には富士講が盛んになり、富士北麓地域では吉田宿などの富士山に参詣するために訪れる人々のための御師町と御師の家が出来ました。
そこで参詣客相手に一般の居住用家屋でうどんが売られはじめたそうです。
今でもその名残で、看板も暖簾もあるようなないような民家系うどん屋さんが多いんですね。
江戸末期から昭和にかけて富士吉田では機織の産業が栄えました。
それらは主に女性の仕事だったため、男性は機織や養蚕で忙しい女性に代わってご飯を作り、うどんを打ったと言われています。
織物を扱う女性の手が荒れないためでもあったそうです。
男性の腕で力任せに粉をこねたことから、コシ、硬さ、太さに特徴を持つ今主流の吉田のうどんが出来上がったと言われています。
また、富士吉田では正月や結婚式などの祝い事がある時にもうどんを食べる習慣が昔からあり、現代においても年越しそばではなく年越しうどんを食べたり、お正月のお雑煮の代わりにうどんを食べることがあります。
富士吉田・河口湖のおすすめ 吉田のうどん店舗

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